10/26/2011

one night story

陽が落ちて、ようやく秋らしい冷たい風が吹いた夜のお話。

知り合いの店に顔を出した帰り。
そのまままっすぐ電車に乗るのは、ちょっともったいない気がしたので、駅の周りの小さな路地をぐるりと回った。

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【RICOH GR DIGITAL3】

焼き鳥
ある店の入り口にある、雰囲気のあるそれでいて何となく無骨な感じの看板に、吸い込まれるように暖簾をくぐった。
瓶ビールを注文すると、キリンのラガー。
いいねぇ。

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ぼんちり
やきとり(ねぎま)
つくね
何も言わなかったら、全部タレで出てきた。
これがバカにうまい。
甘すぎず辛すぎず丁度良い塩梅。

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つくねをもう一本頼もうかどうしようか迷ったあげく、ふと目に付いた「鳥雑炊」を注文。
その時、隣のテーブルにカセットコンロが運ばれて来た。

小振りの鉄鍋に油を引き、長めのぶつ切りにしたネギを焼く。
ネギの良い匂いが立ち、焼き目が付いたところへすき焼きの割り下のようなものを注ぐ。

じゅう…

ここまでは、店の人が世話を焼いてくれる。

ここからは、客が自ら具材を放り込んでいく。
皿に盛られた、鮮やかなピンクの鶏肉、真っ白な豆腐、ひっそり渦巻くしらたき。
あらかたの具材が放り込まれ、しばし歓談。

やがて、鍋がくつくつと言ってくる。
おもむろに箸を突っ込んで、狙った具材を自分の小鉢へと運んでくる。
小鉢には、玉子がゆらゆらと揺れていた。

それまでちらちらと見ていたけど、もうこれ以上は無理。
雑炊も美味かった。
鳥の出汁が充分に出た雑炊は、すばらしく美味かった。
だけど、今度来たら鳥鍋を注文しようと、堅く心に誓って店を後にしたのでした。

おしまい。

Posted via email from taidoh days

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