在台北吃了01

「台湾行きたいんだよね。」
「いいね。」
「行きましょう！」

そんなことを話したのは、半年くらい前。酒の席だったか。
おっさん三人で盛り上がったのを覚えている。

何の前触れもなく、仕事中にメールが飛んできたのが、二週間前。

「安いチケットあるんだけど、どうする？」

それから、あれよあれよという間にフライトとホテルが決まり、おっさんばかり三人の台湾旅行が動き出した。

パスポートを確認。(よかった、期限切れてない)

旅程が土・日・月なので、月曜日に有給をとる。

一週間前、台湾経験者を招いての飲み会で情報収集。

数日前、経験者の真似をして同じガイドブックを買う。

旅行前日、勢い余って会社を早退。

旅行前夜、荷物のパッキング。

自宅を出る数時間前(寝る寸前)、フライトのチェックインを、予めネット上で済ませておかねばならぬ、と知る。
旅行の帳尻合わせの為、残業でヘロヘロになって帰ってきたであろうツアーリーダーが、睡眠時間を削って、全員の分を代理手続きする。

出発が早いので、一発目の寝坊だけはリカバリが効かない。
ネタとしては、これ以上美味しいものは無いが、それだけは避けネバダ。

数時間の睡眠の後、始発の電車を待たずにタクシー使い、成田エクスプレスに乗り込む。

「電車移動開始した。」
「こちらも移動中！」
「シャトルバス乗車。寝る」

微妙に高まったテンションを抱えたおっさん達が、成田に集まってくる。

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